線香の香りと煙に思いを馳せて。線香の選び方について

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当店のホームページをご覧いただきまして誠にありがとうございます。徐々に寒さが身に染みる季節となりましたが、健康で過ごせるよう気を付けていきたいものです。さて、暦では「師走」と呼ばれる 12 月、身の回りも何かと気ぜわしくなってきました。年末年始は、家族とゆっくり過ごす方や故郷に帰省し、ご家族そろってお仏壇に手を合わせる、またはお墓へお参りされる方も多いかと思います。今回はそんな時に欠かせないお線香に関してお話したいと思います。

■線香の本来の意味とは

線香をあげる目的として主に 3 つあげられます。

 一つ目は、仏さまや故人の食物として供えるためとされています。線香の香りを食べ物として受け取る、という教えがあり、故人やご先祖の霊の飢餓を満たすと考えられています。

 二つ目は、お線香の香りで尊い仏さまに失礼のないように自身を清めることです。線香の香りは、あげる人の心身を清めるとされています。故人やご先祖に挨拶をする前は、現世に蔓延る穢れを香りで清めてからお参りすることで清らかな気持ちで手を合わせることができます。

 三つ目は、お線香によって浄土の清浄な世界を表現するとされています。線香の香りと煙は清められた人の清らかな気持ちとともに仏様の元へ届き、その心を伝える役割を果たします。また、お線香の煙が天に昇っていくことで、極楽浄土と現世をつなぐとも考えられています。ご先祖や故人が迷わないように極楽浄土への旅路の道標として、線香の香りや灯火が役割を担うのです。その他にも線香をあげる目的は諸説あり、線香の歴史が深いことが分かります。


■お香とお線香

「森屋さん、お香とお線香はどう違うの?」と聞かれることがあります。どういうわけか「お香=いい薫り」「お線香=お仏壇やお墓の香り」と捉えられていることが一般的なようですが、結論としてはお香もお線香も同であり、使用される原材料にも大きな違いはございません。お香は総称を表す呼び名であり、お線香は形状を表す呼び名と言えます。「線のようなお香=お線香」であり、その他に形状からの呼び名としてご葬儀や法事などで見られる「抹香」やお茶会で使われる「練香」などがあります。


■お線香の種類と原材料

お線香は大きく分けると杉線香と匂い線香に分かれます。杉線香とは、杉の葉を乾燥させた粉末で作られたお線香で、杉特有の香りがします。匂い線香は、椨(たぶ)の粉末を使用し、そこに香木や漢方香料、液体香料などを配合し作られています。

匂い線香に使われる香木とは「伽羅(きゃら)」「沈香(じんこう)」「白檀(びゃくだん)」です。主 に東南アジアやベトナム、インドで生産、栽培される香原料です。日本においては古来より大切に扱われており、仏事には欠かすことの出来ない香原料です。その中でも「伽羅」は金価格の数倍とされ、現代において入手することは非常に困難となっています。

漢方香料は動物性香料と植物性香料に分かれます。動物性香料で有名なものはジャコウジカからとれる「麝香(じゃこう)」やマッコウクジラからとれる「龍涎香(りゅうぜんこう)」があります。植物性香原料は八角の名で知られる「大茴香(だいういきょう)」や肉料理のスパイスとし て使われる「丁子(ちょうじ)」、シナモンの呼び名で知られる「桂皮(けいひ)」などがあります。液体香料は植物の花弁や実などから採取する天然オイルや天然合成油などを言います。ラベンダーやローズ、キンモクセイなど身近な香りのものが多くあります。


■まとめ

日本国内では様々な香りのお線香が作られています。当店では常時 30 種類ほどのお線香を取り扱っております。故人やご先祖さまを思い、感謝の気持ちでお線香を焚くことは、自身の気持ちに落ち着きをもたらし、厳かな気持ちにさせてくれます。故人が好きだった香りを焚く、自分が好きな香りを焚くなど、気持ちよく手を合わせ良いお参りが出来ますように。


当店おすすめの香り https://www.moriya-butudan.com/buddhist/senko/

・寺内香…歴史ある富田林寺田町をイメージした白檀主体のお線香。

・沈香陽明…沈香がもつ上品な甘さを感じさせるお線香。

・香樹林…白檀主体の落ち着きのある甘い香りのお線香。


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