地域ごとの仏壇について-京仏壇・大阪仏壇編-

お役立ちコラム
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当店のホームページをご覧頂きまして誠にありがとうございます。新緑が芽吹く季節で、気候もおだやかになり過ごしやすい時期となりましたね。室内の換気と共に仏壇の清掃や、ご先祖供養でお墓参りに行くなどしてみて下さい。さて、今回は地域ごとに仏壇の様式が異なる点についてお話を致します。京仏壇・大阪仏壇と呼ばれる種類について解説致します。

■地域ごとの仏壇とは?

そもそも「仏壇に地域ごとの種類があるの?」と考える方もいると思いますが、実は仏壇にも地域ごとに種類があります。大まかに説明しますと“東日本では木の質感や木目を生かして作られる唐木仏壇、西日本では表面に漆などを塗った後に、金を貼った華やかな金仏壇”が主流となっています。

 

■京仏壇について

京仏壇とは、主に京都府京都市や亀岡市周辺で作られている仏具や仏壇のことを言います。又、京仏壇は家庭用としてではなく、そのほとんどは寺院用として納められています。

京仏壇は、仏壇を一つ完成させるために、40職種ほどの職人たちが携わると言われています。すべて手作業で行われる伝統的な技法を駆使しており、箔押、蒔絵、漆塗、金具加工の美しさが大きな特徴です。

 

■大阪仏壇について

大阪仏壇とは、主に大阪府大阪市、八尾市、東大阪市、堺市、岸和田市などで作られている仏壇のことを言います。大阪仏壇は、伝統工芸士の技が冴えた絢爛豪華な佇まいが何よりも最大の特徴です。金色のイメージを力強く印象付ける内部の豪華な造りや、華麗な蒔絵の装飾、宮殿の豪華さや格子天井が一際目を引きます。

商人の都としての性格が仏壇にも反映されているのかもしれません。また、大阪仏壇は下台や障子扉の位置が高く設定されています。これは、高潮被害や集中豪雨などの水害から仏壇を守るために洪水対策としてこのような形になったとされています。

 

■ちょっと豆知識

 京仏壇や大阪仏壇を紹介してきましたが似た名前の京型・大阪型仏壇というものもあります。名前が似ているため同じものととらえる方もいらっしゃいますが、実は名前に〇〇型とある仏壇はその型に似せて作った仏壇という意味になります。例えば、大阪仏壇は大阪で作られた大阪仏壇ですが、大阪型仏壇は大阪仏壇を別の地域で作った仏壇のことになります。これは、現代の仏壇業界そのものがやや縮小気味でありその地域で作られる仏壇が限られるため他の地域生産の〇〇型仏壇ができました。似てはいますが、〇〇仏壇と〇〇型仏壇では大きく異なるため、特に高級な仏壇や本格的に質などにもこだわっているという場合は注意が必要です。

 

■最後に

今回は、京仏壇と大阪仏壇について取り上げましたがまだまだ色々な地域の仏壇もありますので機会があればまたご紹介させていただきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。

●補足|飾り金具について

飾り金具

飾り金具は、仏壇の装飾として欠かせないものであり、金属製の獅子足や鳳凰、龍、梵字などが一般的で、神聖さや尊厳さを表現する役割を果たしています。また、仏壇の大きさや形状、使用する宗派によっても異なるため、適した金具を選ぶことが重要です。


●補足|高蒔絵について

高蒔絵

高蒔絵は、漆に絵を描き、その上に何層も漆を重ねることで、凸凹感や光沢感を生み出しています。仏壇によって異なるデザインがあり、花鳥や仏教のシンボルなどが描かれることが多いです。また、耐久性にも優れ、長く使うことができます。


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