お供え物について
お供え物については、各宗派によってちがいがありますが、一般的には五供(ごくう)と呼ばれる次の5つです。
香 (抹香、線香)
その香りは供える人の心身を清浄にし、まわりのすみずみまで香りが行きわたるところから、同じようにすべての人々に差別なく施される仏さまの慈悲をたたえるものです。 線香は1~3本で、浄土真宗などでは立てずに横に倒します。
花 (生花、造花)
花だけさしあげるのではなく、心も一緒にお供えします。 花のようにきれいな心を持ち、清らかな心でお参りするという意味がこめられていますので、毒花やトゲのある花は供えず、葬式や中陰といった悲しい時には、赤い花などは避けます。
灯燭(灯箭、燭台)
仏さまのおいでになる場所を明るくする供養の表れというだけでなく、光は全ての暗黒を開くという仏さまの偉大な知慧の光、慈悲の光をたたえます。 迷いの世に生きている人間世界に真実の光をかかげ、安らぎの心を与えてくれます。
浄水(水、茶)
清らかな水を供えることによって、私たちも仏さまの清らかな心に心が洗われることを味わいます。 他人のために自分のできることを惜しみなく尽くす布施の行のおこりとされます。 仏さまにお供えする水は関知(あか)といって清浄の水をさします。 茶湯を供えることもありますが、浄土真宗では水や茶は供えません。
飲食(米穀類、菓子、果物、野菜、海藻)
仏さまに私たちがいただく主食と同じものをお供えし、仏さまと私たちが一つの同じ命につながっていることを自覚し、心静かに生きる喜びをかみしめる行いです。 仏飯器と霊具膳(霊供膳)があり、前者は日常からお供えし、後者は法事のときに前者と共にお供えします。 また、宗派によっては、霊具膳を使わない宗派もあります。