お仏壇の品質・選び方
お仏壇の価格や品質は、少し見ただけではなかなか分かりません。 物によって価格が全然違うのは品質が異なるからです。 値段に応じて耐久性も変わってきます。
木の材質
1.金仏壇は金箔が施されているため、表面からはわかりませんが、檜(ヒノキ)、杉、松などの針葉樹を使っています。 大阪仏壇の材料(素材)は、昔から「板にはイチョウ、柱にはクサマキ(青森ヒバ)」を使用してきましたが、現在では「シナベニヤ」を使う場合もあります。
2.唐木仏壇は、木材の材質によって大きく値段が異なります。 同じ種類の木であっても、品質によって価格は大きく異なり、素材の木目の美しさを活かしたものが高級なものとなります。 大阪唐木仏壇は、紫檀、黒檀、花梨などの唐木や、桑、杉、桜などの素材を用います。
3.主材の工法によっても品質や値段が異なります。主材は芯材に天然の原木を練りつけます。 この練り方の工法に、前練り、二方練り、三方練り、四方練りがあり、後者であるほど高級です。 芯材を総無垢にして練りつけをしないものが最も高級ですが、素材の割れを生じやすいという欠点もあります。
金箔
金仏壇の場合、漆塗とともに金箔の量と品質が大きく価格に影響します。 細工を施せるように、金箔にはわずかな量の銀と銅が混ぜられています。 純度が高い順に一号色から四号色となり、五毛色はさらにその上です。 一般に赤みの強いものが上質で、三号色や四号色は五毛色に比べ、青みや黄色みが強く見えます。
当店の製品は、高級品の大半が一号色または五毛色を使用しています。 金箔は約10cm四方の物を順々に押していきますので、縦横に継ぎ目の線が残ってしまいますが、熟練した職人が貼った金箔は、継ぎ目の間隔が一定で真っすぐになります。
彫り
彫り物は、その細工の細かさで価格が異なります。 特に分かりやすのは欄間等の外彫り部分です。 当店の高級品の大半には国産の彫刻を使用しています。
当店では、国内の職人が一つ一つ丁寧に彫刻を彫っており、展示場にて直接見ていただき、他のお仏壇の彫刻が気に入っていただけたら、お時間は多少かかりますが、同じ彫刻を入れたりすることも可能です。
蒔絵
大阪仏壇は、昔から本軸の扉の裏や引き出し・引き戸に蒔絵をほどこしてあります。 天人や、花鳥の図案が多く使われますが、天人のお顔や鳥の表情などの部分は、職人の絵心が一番現れる部分ですので、腕のいい職人の蒔絵は本当に見事です。
当店では、国内の職人が一つ一つ丁寧に蒔絵を書いており、展示場にて他のお仏壇と同じ蒔絵を入れたりすることも可能です。
漆塗り
当店では、艶や耐久性に優れた天然漆を使用し、熟練した技術を持った職人が一つ一つ丁寧に手塗りで作業を行っております。 漆は下地の回数の多いほど耐久性が伸びます。 また、漆の乾燥は気温と湿気に影響されますので、夏場や梅雨時、また冬場などは、その調整が非常に難しくなります。 漆職人は、乾き方が異なるいくつかの種類の漆を調合(熟練した技術と経験が必要)して使用し、室(むろ)の中で 湿度を調整しながら漆を乾かしていきます。
当店では、国内の職人が一つ一つ丁寧に蒔絵を書いており、展示場にて他のお仏壇と同じ蒔絵を入れたりすることも可能です。
金具
金具は、見落としがちですが、かなり重要なポイントです。 当店では手打ちの錺(かざり)金具の職人が製作しております。 表戸や障子戸の蝶番の部分は、ある程度の厚みがないと、永年の使用で蝶番部がすり減り、表戸や障子戸が下がってきてしまいます。
高級仏壇の表戸や障子戸は、かなりの重みがあります。 それを支える大事な蝶番ですので、しっかりした品物は、手打金具を使用しています。