お仏壇の宗派と地域性
日本の仏教は宗派で分かれており、現在全国で五百数十もの宗派があって、それぞれお仏壇の形式は異なります。
ほとんどは須弥壇に安置した本尊が中心で、先祖の位牌や過去帳を置き、燭台、花立、香炉などの仏具で飾ります。 お仏壇の種類は地域によっても異なります。
彦根仏壇、大阪仏壇、名古屋仏壇、三河仏壇、八女福島仏壇、広島仏壇、新潟仏壇、飯山仏壇、長岡仏壇、三条仏壇、金沢仏壇、京仏壇、山形仏壇、川辺仏壇などが有名な産地ですが、当店では大阪仏壇をおつくりしております。
大阪仏壇とは
大阪仏壇とは、593年に聖徳太子によって、朝鮮半島の百済から技術者が呼び寄せられ、仏師、仏具師、彫刻師、塗師、木地師、指物師等による大阪を中心としたお仏壇・仏具の産地が形成されたと考えられています。
1497~1498 年に南北両御堂(北御堂は浄土宗本願寺派、南御堂は真宗大谷派)が建てられ、大阪の町と文化はさらに発展し、各地から仏師や塗師が集められてその技術を寺院の建設に活用したといわれています。
また、両御堂の近くには熱心な門徒が集まり、大阪の商業の中心である船場の町を築き、『御堂さん』の鐘の聞こえるところで商売をしたいと願い、商いに精を出したといわれています。 その後、仏教が広まっていくのと共に、大阪独特の優れた製作技術技法も大阪府下一円に広まりました。 大阪仏壇の製造工程は全十一工程に及ぶ複雑なものですが、その技術の完成は江戸時代のことと言われています。 大阪仏壇の製造工程についてはこちらをご覧下さい。
大阪仏壇の特徴
正面扉は装飾を控えめに、錺(かざり)金具を青みの色で着色する緑宣徳(みどりせんとく)で渋さを表現し、錺(かざり)金具の間隔にも違いを出しています。
内部は漆を盛り上げて錺金具(金色の金属板による飾り)を打ったように見せる、高蒔絵という技法を使い、金具の錆びによる木地の損傷を防ぐようにしています。立体感を表した優美なつくりと彫刻の表面を彩る優美な彩色を特色としています。
西本願寺派、東本願寺派、八宗のそれぞれに応じたお仏壇が作られ、宗派による違いを反映させています。
大阪唐木仏壇
大阪唐木仏壇は、紫檀、黒檀、花梨などの銘木や、桑、杉、桜などの素材を用いています。
江戸時代中期に唐木指物の産地が形成され、その製品の一つとしてお仏壇が作られたことが始まりと言われ、漆塗り金仏壇より古いとも言われています。唐木の堅さと木材の美しさを生かした漆のふき仕上げが特徴です。